「考えること」の定義ー洋書 Elastic よりー

 学力の三要素の一つである「思考力・判断力・表現力」は、新指導要領や2021年度大学入試において重要な位置を占めると言われています。私は、「判断力」を除く「思考力・表現力」は Skills(スキル)と捉えると、具体的に指導を行いやすくなる、と考えています。例えば、思考スキル(Thinking Skills)では、「論理」「批判」「創造」などを軸に物事を考える指導を行うことで、思考力のどの部分を育てるかが明確になり、詳細に分けた部分をトレーニングすることにより、習得することが可能になると考えます。これらは、「スキル(Skills)論」の題して昨年ブログを書きました。今回は「思考スキル」(thinking skills)の「思考」(thinking)の部分に焦点を当てます。

 

 Elastic というタイトルの洋書を読んでいると、「思考」(thinking)についての興味深い定義が書かれていましたので、紹介します。

 

`thinking is evaluating circumtances nad making a meaningful response by generating ideas.' (p.34 イタリックは原文のまま)

「思考は状況を評価し、アイデアを生み出すことで意味のある反応を行うことである。」(拙訳)

 

 「思考」に関して具体的な3つの行動が書かれています。すなわち、「思考」には、

状況を評価する 

アイデアを生み出す 

意味のある反応をする

です。

 

 よく「考えろ」という言葉を耳にしますが、具体的に何をしてよいかがわからに場合、これらの3つで行うと「思考」の行為になり得ります。

 

 しかし、最近、出会った定義なので、具体的なものを挙げることが出来ませんが、この3つの柱をキーワードに「思考」という行為の意味を深めていこうと思っています。


(参考文献)

Leonard Mlodinow(2018)  Elastic: Flexible thinking in a time of change  PANTHEON