「経験からの学び」「経験の熟考による学び」「経験の問いによる学び」

 「経験から学ぶ」という言葉をよく耳にしますが、洋書を読んでいると「経験を熟考することから学ぶ」という言葉に出会いました。教育に大きな影響を与えた、John Dewey の言葉の引用でした。

 

"We do not learn from experience ... we learn from reflecting on experience." (Measure what matters p.124)

我々は経験から学ぶのではない・・・我々は経験を深く考えることから学ぶのだ。」(拙訳)

 

 経験から学ぶことを否定し、経験を振り返ることを通して学ぶことを主張する Dewey の言葉そのものに、考えさせられるものがあります。

 

 "reflect" という単語には、「反射する」という意味もあり、私は生徒には、まず「(光などの)反射する、(鏡などが)...を映す」などの意味を伝えます。さらに、心の中を反射するするのが「反省する」で、反省するには「よく考える」ことが必要であるので、「反省する」「よく考える」という意味があると話します。『オックスフォード新英英辞典』は、"reflect on/upon"で "think deeply or carefully about" と説明しています。

 

 授業の最後に「リフレクション・タイム」として、その時間の授業の「振り返り」として数分の時間を取ることケースがしばしば見受けられることがありますが、受けた授業について「深く考える」ことを示します。

 

 「経験を深く考える」ためには、問いが必要です。経験に対してどのような問いを立てるかにより、考えの深さが異なってきます。言い換えれば、経験を問うことによる学びがあると言えるかもしれません。


(参考文献)

John Doerr(2018).  Measure what matters; How Google, Bono, and the Gates Foudation Rock the World with OKRs  Portfolio/Penguin