IBと問学

現在、勤務校がIB(国際バカロレア)の候補校になっています。認定校に向けて、環境をと整えている最中で、特に、中堅の教員が頑張っています。彼ら彼女らよりもずっと高齢の私は、IB科目を教えたいというよりも、IBの関する参考文献(主に英語文献)を出来る限り読んで、少しでも学びたいと思っています。

 

IBが挙げてる参考文献は、知らなかったものが多くあり、それらを読むことで、教育に関する視野を広げることが出来ています。例えば、教育学についても、「伝統的教育学(Traditional Pedagogy)」や「進歩的教育学(Progressive Pedagogy)」に加え、「変容的教育学(Transformative Pedagogy)」があることを知りました。3番目の教育学は、今後日本でも注目されるようになる可能性を感じています。

 

私が特に学んで身につけたいと思っているのが、独特な科目である「知の理論(Theory of Knowledge):TOK」です。この1年、TOKに関する参考書を数冊読みましたが、一度では中々理解(make sense)できるものではありません。IBは「概念理解」に重き置いているので、あれこれ考えながら、少しずつ府に落としているところです。

 

「概念理解」に加え、IBは「探究(Inquirry)」を重視します。Inquiryは、「問い」の意味を含みます。故に、問学と関係します。さらに、「問学」が目指す「智恵を(本質を捉え、判断すること)を得ること」は、「概念理解」と関係します。「概念理解」は、私なりの別の表現では、「コツを掴むこと」です。

 

「コツを掴む」は、何かの技術をうまく使いこなす時によく用いられますが、概念をうまく使いこなす(IBでは応用する)際の実感的な理解を含むと考えます。「概念理解」は「コツを掴む」であると考えると、時間がかかるのも当然です。しかし、時間をかけるに値するものです。何故なら、変化する社会において、新しい場面で「概念」を応用できることは、大変役に立つ力であるからです。

「概念理解」には、問い学ぶ「問学」が役立ちます。私は、来年もTOKを中心にIBを問い学ぶ年にしたいと思っています。